歴  史 1


 

a・中尾遺跡、b・C長谷遺跡  
 ナイフ形石器(a・b)槍先形尖頭器(c)    細石刃石核 上神51号墳 長9.9cm

a長6.7cm、b長6.9cm、C長8.2cm

ナイフ形石器は、ともに横形剥片を素材とし鋭い刃の背側に二次加工を施す。aは山陰で初例の国府型ナイフ形石器で黒曜石製。bは、安山岩製。Cは表裏両面を調整した安山岩製の槍先形尖頭器。 長さ5cm・幅1cmほどの小さな刃(細石刃)を剥ぎとるための石核。細長い船底形で甲板状の平坦面から連続して細石刃を剥ぎとった痕跡が一端に残る。島根県隠岐島久見産の黒曜石製。

 

 縄文土器 a取木遺跡、b c中田遺跡  弥生土器 後中尾遺跡 高35.2cm
いずれも縄文時代早期の押型文土器。文様を彫りつけた棒木を土器の表面に押しころがして飾った土器。取木遺跡出土品は、菱形文を浮き彫りした棒木を押しつけて文様を施した尖底土器。中田遺跡例は、楕円文・山形文を中心とし、粗大楕円文を含む早期後半代の土器。 肩のよく張り出した甕である。口縁に凹線をつけ、頸部には格子状の線刻を全体にめぐらす。肩部上位には6条の凹線文がめぐる。

 

  松ケ坪遺跡出土品
松ヶ坪遺跡は、縄文時代晩期から弥生時代前期にかけての遺跡。河川が合流する沖積平野に立地する。配石墓・甕棺・土壙などの遺構とともに大量の土器や石器が見つかっている。中央の深鉢は、甕棺に使われた土器。右端は、口緑下の4ヶ所に耳をもつ平底の弥生土器。

 

 弥生土器 後中尾遺跡 高49.3cm  弥生土器
 算盤玉形の壷に細身の脚台がつく。全体に丹塗りのあとが残る。頸部に刻み目をつけた凸帯がめぐり、脚台部には7ケ所に細長い三角形状の貫通しない彫り込みがある。  弥生前期にみられる斉一性ある土器群は、中期になると技法的にも形態的にも地方色をもつようになり、技巧をこらした造形美豊かな優品が多くなる。土器を回転させながら凹線文や櫛描文を施し、刻み目をつけた突帯やボタン状の粘土を貼りつけて飾っている。