館長コラム ⑦(2014.1)

 平成26年は倉吉博物館開館40周年の年です。

 明けましておめでとうございます。
  昨年末には20cmほどの積雪がありましたが、元旦からの三が日は青空が広がり、 気温も上がってコートも要らないくらいの穏やかな天候が続きました。

  今年の干支、午年は「午前午後」の用例からも分かるように時間の区切りを示しており、十二支の7番目であることから折り返しの起点とも言えます。また、午は「馬」にも通じることから駆け抜ける、疾風など勢いある様子も連想します。 一方で、「馬耳東風」ということわざもあり、周りに配慮しながら事を進める慎 重さも求められる年と言えそうです。

 さて、本年は、倉吉博物館が開館して40年の節目です。開館したのは、昭和49年5月24日。倉吉市長はじめ鳥取県知事にも臨席いただき盛大にオープンし、美 術部門と歴史部門そして自然科学のコレクションを加えた総合博物館としてスタ ートしました。

  この開館を、芸術分野の作家の方々や美術愛好家、そして古代史ファンや文化 財関係者など多くの皆様が待ち望んでおられました。芸術文化あふれる質の高い美術展の開催や創作活動の発表の場として、さらには重層な歴史文化の学びの場として市民の方はもとより県内外の方々に利用いただき愛されてきました。本当にありがとうございました。

  40年目を迎えた今年は、美術、歴史の特別展や市美術展、自然科学展といった恒例展はじめ、開館からの道程を振り返る講演会も開催を予定しています。これ までに博物館の運営や展示、調査研究に係っていただいた方々にお話を伺う機会としたいと思います。

  また、地域の偉人や文化遺産を取り上げて学芸員が解説する年間10回の博物館 講座も計画しています。身の回りの草花や生き物に目を向け、自然環境に関心を持っていただく自然ウォッチングも例年どおり予定しています。どうぞ、各種イベントをお見逃しなく、お気軽にご参加ください。心よりお待ちしております。

 さて、本市教育委員会では、平成26年度から土曜授業の導入を検討しています。この取り組みは県内に先駆けて行われるもので、当面、月1回3時間程度を充てて、ふるさと倉吉を知る学習に取り組もうとするものです。小学生、中学生をはじめ として地域の人にもふるさと倉吉に対する誇りと愛着を持っていただけるよう博 物館としても土曜授業「ふるさと学習」にも係っていきたいと思います。

 平成26年は、博物館開館40年の区切りの年です。これまで先人が築いてこられ た実績を踏まえ、不惑の年にふさわしく土台を固めてさらなる飛躍の起点となる よう頑張ってまいりたいと思います。今後の博物館活動にご理解をいただき、ますますのご支援を頂戴したいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

館長 根鈴輝雄