平成30年度 自然ウォッチングF「天蚕(ヤママユガ)を見よう」

日    時: 平成30年9月15日(土)午後8時〜9時ころ ※雨天中止
集合場所: 博物館 正面玄関前
事前申込: 不要(直接、集合場所にお集まりください。)
注意事項: 動きやすい服装でご参加ください。


大型のヤママユガは萌黄色の美しい繭を作り、希少な絹糸がとれることから天蚕とも呼ばれています。
夏の間、葉っぱをモリモリ食べて育ったヤママユガの幼虫は、9〜10月に羽化し成虫になります。
夜の打吹公園で、光に集まるヤママユガをはじめいろいろな昆虫を観察しましょう。

   
              ヤママユガ


 《活動報告》

この日は曇りで月明かりがなく少し湿った気候で、虫の集まりやすい絶好の観察日和でした。

最初に、長谷川先生による標本を用いた解説が行われました。

     

その後、椿の平から打吹公園にかけて、水銀灯に集まる生きものを観察しました。
ガなどの昆虫は紫外線が多く含まれる光に向かって飛ぶ習性があります。
水銀灯の光は紫外線を多く含むため様々な生きものが集まりますが、
オレンジなど暖色系の照明やLEDの光は紫外線が少ないためあまり集まりません。

     

最後に、相撲場上の駐車場に設置したトラップに集まった生きものを観察しました。

     

今回の目玉だったヤママユガは残念ながら陸上競技場のトイレ横に屍骸があったのみで、生きている個体は観察できませんでした。

ヤママユガは天蚕とも言い、その繭からは「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれる、最高級の絹糸がとれます。
通常のカイコの繭ひとつからとれる糸は1200mほどですが、天蚕の場合はその半分の600mほどと少なく、価格は数十倍にもなります。
國本先生によると、今年は打吹山で見られる個体数が例年に比べ少ないとのことです。
一昨年、同じガの仲間のクスサンが大量に発生し産卵しましたが、ガをエサにする生きものも多く集まることとなり、
その結果ヤママユガの数も減ってしまったと考えられます。

今回のウォッチングでは6歳から70代まで幅広い年齢の参加者が集まり、
世代を超えて同じ興味の対象を囲む姿が見られました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。





平成30年度 年間計画へ