農業に関係する民具2


 

 稲扱千刃(いなこきせんば)  足踏み回転脱穀器
 
(あしぶみかいてんだっこくき)
 稲や麦を脱穀する農具。赤松の台木に鉄製の穂(刃)を17〜21本程度並べ、稲を扱く。倉吉は全国一の産地であった。  稲を扱く脱穀具。円筒に並んだ、曲げたスポーク状の刃を回転させて稲を扱く。稲扱千刃に比べ能率が良く、大正時代に普及した。

 

 土臼(どうす)  唐箕(とうみ)
 米の表面を覆うもみがらを取る農具。樫(カシ)の板の刃を土の中に埋め、表面を竹で編んだもので、「どうす」「たーずす」などと呼ばれている。  風を起こし、穀物を精粒と屑粒に分けながらもみがらや、ちりを飛ばす農具。

 

 万石(まんごく)  風炉鍬(ふろぐわ)
 千石とも呼ばれ、屑(くず)米などをふるい分ける農具。  鍬先の部分だけに鉄を用いた鍬で、鍬風炉を持つことで、この名がある。鍬は農具の中で最も利用範囲の広いものの一つで、一年中使われた。それぞれの土質に合わせた鍬が見られ、種類も多い。

 

 桑籠(くわかご)  桑扱き台(くわこきだい)
 カイコの食葉の桑の葉を入れる竹製の籠。食欲旺盛なカイコに対応するため大型のものが一般的である。  枝ごと収穫した葉を扱く専用の台。葉のついた枝をはさみ、枝を引くと葉が落ちる仕組みになっている。

 

 桑包丁(くわぼうちょう)  ケバ取り器
 カイコの小さい間、桑の葉を刻んで与えるための包丁。  出荷前の繭(まゆ)の表面に残るケバを取る器具。